篭り旅中のコンディションは意外と重要です。

体の冷えや肌の乾燥でコンディションが良くないと、思うように作業に集中できないことも…!

おふ

温泉で体のコンディションを整えることは篭り旅で地味に重要な要素なんだよなあ

*篭り旅についてはこちら!

温泉には体の不調を改善する様々な効能があります。

実際、古くから療養のために長期に渡って温泉地で過ごす『湯治文化』があるほどです。

しかし、実際多くの人は「温泉ってほんとに効果あるの?」「入ってみたけど変化を感じなかった」と思っていることが殆どなのではないでしょうか。

温泉の効果がわからないのは成分が薄い温泉に入っていたから!?効能より大事な『供給方式』とは

温泉の供給方式(利用形態)とは、浴槽にどのように温泉水を注ぎどのように排水するかという「お湯の管理方法」のこと。

温泉の効能を最大限に味わうなら「源泉かけ流し」がおすすめですが、実際多くの温泉は資源保護や衛生管理の観点からいくつかの方式に分かれています。

大きく分けると「かけ流し式」「循環ろ過式」の2つ、そしてその中間的な方式があります。

源泉かけ流し(放流式)

温泉の湧出口(源泉)から湧き出た新鮮なお湯を浴槽にそのまま注ぎ、浴槽からあふれ出たお湯をそのまま排水(放流)する方式です。

常に新鮮なお湯に浸かれるので、温泉の効能をしっかり感じやすいです。

しかし、湯量が豊富に湧き出ている場所でしか実施できないため場所が限られる・温度調整が難しく、季節や気候によって湯温が左右されやすいことも。

かけ流し(加水・加温かけ流し

「源泉100%」ではなくても、源泉が熱すぎて水で薄めたり(加水)、逆に冷たすぎて温めたり(加温)していても、浴槽から常にお湯があふれ出て再利用していなければ「かけ流し」と呼びます。

おふ

加水している場合、水の比率によっては温泉成分・効能は薄まりがち

循環ろ過式(循環式)

浴槽のお湯を吸い込み口から回収し「ろ過器」に通してゴミや汚れを取り除き、殺菌・加温した上で再び浴槽に戻して再利用する方式です。

湯量が限られている地域や、多くの人が利用する大型施設(スーパー銭湯や大規模ホテルなど)で広く採用されています。

限られた温泉資源を大切に使え、また温度を一定に保ちやすく常に清潔な(ろ過された)状態を維持できますが、ろ過や塩素消毒(殺菌)の過程で温泉成分や香り・色が薄まったり変化したりしやすいです。

おふ

循環式の温泉は都会からアクセスしやすく湯あたり*しにくい一方で、効能は感じにくいかも

*湯あたり…成分の濃い温泉に何度も浸かることで起きる体調不良。倦怠感・眠気・めまいなど。

ハイブリッド型(併用式)

かけ流しと循環式を組み合わせた方式です。施設によって呼び方は異なりますが主に以下のような方法があります。

循環ろ過・一部かけ流し(放流・循環併用式)

基本は循環ろ過でお湯を回しながらも、常に一定量の新しい源泉を浴槽に注ぎ続け増えた分のお湯を浴槽の縁から溢れさせて排水する方式です。お湯の鮮度をある程度保ちつつ資源も節約できるため、多くの温泉旅館で採用されています。

おふ

「お湯が溢れている=循環していない」と判断されがちだけど実はそうとも限らない!

供給方式を見分けるポイント

温泉施設には「温泉の掲示義務」が課されており、脱衣所や浴室の入り口付近に以下のような項目が必ず明記されています。

  • 加水の有無
  • 加温の有無
  • 循環の有無
  • 消毒の有無

おふ

供給方式は、温泉の『成分分析表』とセットで掲示されているよ!

温泉に行く前に供給方式を判断したい場合は、ネットで『温泉の利用形態(加水・循環の有無)』についての記載があるか探すといいかもしれません。

お湯に自信がある温泉施設ならホームページに「加水加温なしの100%源泉掛け流し」と詳しく説明されていたり、成分分析表とともに利用形態の掲示がされていることもあるので温泉効果を感じたいなら要チェックです!

おふ

供給方式の言葉の意味は、施設の広告表現によっては曖昧になりやすい…

特に湯治(温泉で体のメンテナンスをする)目的なら、法律で義務付けられている実際の利用形態の掲示をじっくり確認したい!

効能別!おすすめ泉質

肌に効く泉質

効能例)切り傷/皮膚乾燥症/慢性湿疹

炭酸水素塩泉

炭酸水素塩泉は肌の角質を柔らかくし、クレンジング効果で皮膚の修復も進むため、肌がスベスベ・健康になります。そのため「美肌の湯」あるいは「化粧の湯」とも呼ばれます。

塩化物泉

塩化物泉は塩分の膜による保温・保湿効果があり、皮膚を健やかに保ちます。

硫酸塩泉

硫酸塩泉のカルシウムやマグネシウムには鎮静効果があり、傷や炎症・痛みを治します。

硫黄泉

硫黄泉は抗炎症・殺菌作用で皮膚炎に効くとされており、また免疫の働きを抑える(抗アレルギー)効果もありアトピー性皮膚炎に有効。

おふ

肌への影響を考えるなら、まずは供給方式で加水・消毒(主に塩素)なしの湯量の豊富な温泉を選ぶのがおすすめ!

腰痛・関節痛に効く泉質

効能例)通風/慢性腰痛/関節リウマチ

硫黄泉

硫黄泉は高い血管拡張作用があり、末梢循環を改善するため神経痛に効果があります。

そのため脊椎・腰・膝などの関節炎や慢性期の炎症関節疾患にも適応症があることが経験的に認められています。

放射能泉

放射能泉(別名:ラジウム温泉)は特に関節に効く湯として知られており、ドイツでは関節リウマチ患者の痛みを和らげる鎮静効果が実証されているそう。

微量のラドンが体内に入ると細胞が刺激されて活性化し、自己治癒力や免疫力が高まる「ホルミシス効果」が生まれます。そのため関節の炎症を抑える効果が期待できます。

おふ

38度〜40℃の、ぬるめのお湯がおすすめ!

冷えに効く泉質

効能例)冷え性/末梢循環障害

塩化物泉

塩化物泉は肌に塩の膜を作り、汗の蒸発を防ぐため保温に優れます。(世界で唯一と言われる高い塩分濃度の有馬温泉は少し入っただけで火照る、とても保温効果の高い温泉でした。)

硫酸塩泉

硫酸塩泉は血管を広げ、血流が良くなるため体の中からじわじわ温まります。

炭酸泉

炭酸泉の炭酸ガスは皮膚から吸収されると体が酸素不足と勘違いして、一気に血管を広げ血流を高めます。そのため低温の湯でも驚くほど体が芯から温まります。

首・肩コリに効く泉質

効能例)筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり/末梢循環障害

硫酸塩泉

デスクワークでなりがちな肩コリや首コリは頭を支える首や肩の筋肉が疲労し疲労物質が溜まることが原因。そこで、疲労物質を流す血流改善が効果的です。

硫酸塩泉は血流を高め、疲労物質を流すデトックス効果が得られます。

炭酸泉

炭酸泉も硫酸塩泉同様、血流を高めるためデトックス効果が得られます。

メンタルに効く泉質

効能例)疲労/自律神経不安定症/不眠症/うつ状態

単純温泉

ぬるめのお湯にゆっくり浸かると心身の緊張がほぐれ副交感神経か活発に。リラックスモードに入れます。

単純温泉は成分が濃すぎず湯あたりしにくいため、まさにゆっくり・何度も浸かるのに向いています。

また、自然の美しい景色や露天風呂での温まり・クールダウンでボーッとする(脳の休息)時間が取れるため、ゆっくり・何度も入れる単純温泉はメンタル回復に優れます。

おふ

刺激が少ないため体力の弱い人にもおすすめ!

まとめ

温泉の効能は、実際は「泉質名」だけで決まるものではありません。いくら素晴らしい泉質でも、加水や循環でお湯のパワーが薄まっていてはせっかくのコンディション調整がもったいない結果になってしまうことも。

おふ

肌が弱い自分は、温泉の消毒で使われる塩素で肌が乾燥するので思うように作業に集中できないこともあったなあ

勉強や仕事、タスク消化を目的とした「篭り旅」において自分の体のコンディションは実は成果を左右する大切な資本。

次の旅を計画するときは、ぜひ宿の公式ページや「温泉の利用形態」をチェックしてみてください。人それぞれの体の不調に適した良いお湯を見極めるのがコツです!

温泉で心と体を最高の状態にアップデートし、あなただけの充実した篭り時間を過ごしてみませんか?

参考文献

  • 環境省 監修『温泉療養のイ・ロ・ハ』(一般社団法人 日本温泉気候物理医学会)
  • 信濃孝一(東北大学名誉教授)著『温泉を知る 温泉分析書を道しるべにした温泉案内』